【高橋洋一・株式会社政策工房 代表取締役会長】
現代ビジネス24日掲載された。筆者の「衆院解散「大義なし」批判は財務省からのアメを失った増税派の遠吠えにすぎない」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41199)の中のグラフについて、池田信夫氏が捏造だといった(ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51920669.html)。
現時点では、その記事は削除されているが、こちらには謝罪もない。まったく非常識な話だ。
一応数字を確認しておこう。これらは内閣府の統計サイト(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2014/qe143/gdemenuja.html)にあるものをエクセルで計算しただけである。
2013年7-9月期から10-12月期、駆け込み需要のあった14年1-3月期、その反動減と消費増税による需要後退のあった4-6月期、そしてこの7-9月期の実質GDPの対前期比はそれぞれ、2.4%増、1.6%減、6.7%増、7.3%減、1.6%減である(下図)。
マスコミはこの数字ばかり報道しているが、傾向を見るためには、それぞれの前年同期比をみるといい。それらの数字は、2.5%増、2.3%増、2.9%増、0.2%減、1.2%減となっている(下図)
(表作成:政策工房)
これを見ると、消費増税の4月以前には、2%程度の実質経済成長をしていたが、消費増税後の4月以降はマイナス成長になったことがすぐわかる。
伸び率だけではわかりにくい場合もあるので、実際の実質GDPの金額(季節調整済み、年換算)を入れてみることも経済の動きを理解するのに便利だ。消費増税の影響がなく、その前の年2%の伸びを維持していたらという場合も計算できる(下図)。
消費増税で15兆円ほどのGDPを失った。この場合、国と地方を合わせた税収も3兆円ほど失っただろう。つまり、増税して、景気が悪くなって、減収になったと最悪のパターンだ。
池田信夫氏らのデフレ・増税論者は、増税による景気悪化を予測できず、今の景気悪化も分析できず、その上、正しく景気予測をした人を誹謗中傷するのはまったくおかしい。