政策工房 Public Policy Review

霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

August 2014

 先週13日、内閣府は、2014年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となったことを発表した。

東日本大震災時以来の大幅なマイナス成長で、1997年の増税時を大幅に上回る冷え込みとなったのは、消費税率8%への引き上げに伴う駆け込み需要の反動減で、GDPの6割を占める個人消費が前期比5%減と低迷した点によるところが大きい。また、景気下支えの柱と期待されていた輸出も前期比0.4%減と伸び悩み、設備投資も2.5%減にとどまった。

 

安倍総理は、駆け込み需要の反動減は想定の範囲内であり、「1~6月をならしてみると,前年10~12月期よりは成長している」との認識を示しつつ、「冷静な経済分析を行いながらしっかり対応し、成長軌道に戻せるよう万全を期していきたい」と述べた。7~9月期の景気動向を見極めたうえで、消費税10%への引き上げ是非を、年末までに最終判断する方針だ。

7~9月期の実質GDPが上昇する見通しとなっていることもあり、甘利経済財政担当大臣は、補正予算を通じた景気てこ入れについて「現時点で必要性を感じていない」と強調した。ただ、市場などでは「いったんプラス成長でも、秋以降には失速しかねない」との見方も出ている。景気を回復軌道に乗せ、デフレ脱却へとつなげるため、今後、政府が成長戦略をどのように実行し、秋の臨時国会でどういった関連法を成立させるのかが見極めポイントとなるだろう。

 

生活必需品などの消費税率を低く抑える「軽減税率」について、対象品目の選定や、税率の違う商品ごとに分ける「区分経理」のための制度、納税事務の方式、具体的な安定財源など詳細な制度設計について、9月から与党税制協議会でスタートする予定だ。

ただ、税収減への懸念や納税者の事務負担が大きいことなどから早期導入に慎重な自民党と、低所得者対策として軽減税率の早期導入を求めている公明党とで見解に隔たりがある。昨年末に行われた与党の税制改正論議では、財源確保や関係事業者を含む国民の理解を得ることを条件に「消費税率10%時に導入する」としたが、引き上げ時点なのか、引き上げ以降なのか、どちらとも解釈できる玉虫色の文言で、導入時期の結論は事実上先送りとなっていた。今後、協議の行方次第では、与党内の新たな火種となる可能性もありそうだ。

 

 

議員1人あたりの人口格差(1票の格差)是正策に向けた参議院選挙区制度改革をめぐっては、18日、参議院各会派でつくる「選挙制度協議会」の会合が開催された。会合では、現行の都道府県単位の選挙区を維持しつつ有権者数の少ない県の選挙区に有権者数の多い隣接県の一部地域を編入する参議院自民党の試案「選挙区域調整案」(仮称)について協議された。すべての会派が「編入する側も編入される側も抵抗感が強い」などと反対・慎重論が続出した。参議院自民党が提示した試案には、足元からも強い反発がでて意見集約できないままとなっており、見送られることとなった。

脇座長(自民党参議院幹事長)は、各会派の意見を踏まえた最終的な改革案を9月11日開催予定の協議会会合で再提示する意向を明らかにし、10月末までに最終案の意見集約を図るよう各会派に要請した。最終案は、議員1人あたりの有権者が少ない隣接選挙区同士をあわせて1選挙区とする「合区案」をベースに取りまとめるようだ。

脇座長は早ければ11月中に協議会としての結論を出したいとしているが、いまだ政党間で見解に隔たりがあるうえ、参議院第1党の自民党が、党としての意見集約もできていない状況だけに、先行きは不透明なままとなっている。

 

 

 自民党三役などの党役員人事は2日に、内閣改造は3日に実施することが固まった。また、副大臣・政務官人事は4~5日に行う方針だ。安倍総理は、党役員を大幅に入れ替えるとともに、閣僚18人のうち10人以上を入れ替える「大幅改造」を行い、新しい布陣で秋の臨時国会に臨む方針だ。今回の内閣改造では、「地方創生」や「安全保障法制の整備」の担当大臣が新設されるほか、女性の積極登用も注目されている。

 

 安倍総理は、9日、菅官房長官の処遇について「安定的に政策を進めていくうえで、今後とも職にとどまってもらいたい」と、留任させる意向を示した。また、官房副長官(3人)と首相補佐官(5人)も留任させるとしており、官邸の主要メンバーは原則、続投となる見通しだ。安倍内閣は、秋の臨時国会で成長戦略関連法案の成立に全力を挙げるとともに、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の整備、消費税率10%への引き上げ判断、北朝鮮の拉致問題や米軍普天間飛行場の移設、原発再稼働など、様々な懸案・重要課題に取り組んでいくこととなる。安定した政権運営が必須となるだけに、官邸体制は維持するようだ。このほか、麻生副総理兼財務大臣や、甘利経済再生担当大臣、公明党の太田国土交通大臣らも続投させる方針だという。

 

 党役員人事では、高村副総裁のみ留任とし、党三役を交代させる方向で調整しているようだ。石破幹事長の処遇が決まり次第、党三役の人事を本格化させるという。安倍総理は、安全保障政策に精通している石破幹事長を新設する安全保障法制担当大臣に起用したい考えだが、石破氏とその周辺は幹事長職の続投に意欲をにじませている。自民党内には、石破氏の幹事長続投を望む声も根強いだけに、安倍総理は慎重に判断するようだ。

 

 

 9月2~3日の内閣改造・自民党役員人事を前に、自民党議員たちが浮足立っている。自民党内には入閣待機組らが50人程度はいるといわれており、当面、安倍総理と自民党各派閥・グループ間での神経戦が続きそうだ。自民党内から様々な憶測・希望的観測も飛び交っているだけに、内閣改造・自民党役員人事の行方を慎重に見極めることが重要だ。
 

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】

 地方の政治・行政を巡る問題がまた一つ浮上した。金沢市で計画されていた競輪場の場外車券売り場設置を巡り、現職市長が前回選挙で応援を受けた業者に便宜を図ろうとしていたことが発覚。市議会の各会派が進退を判断するよう求める事態となっている。

 政治家による利益供与やいわゆる「口利き」には批判がある一方、熱心に取り組む議員ほど「優秀」と評価されたり、「いい口利きもある」と開き直ったりする向きもある。果たして利益供与や口利きは政治家に期待された仕事なのだろうか。いい口利きなど存在するのだろうか。

 山野之義(ゆきよし)金沢市長は就任前、名古屋競輪の場外車券売場「サテライト金沢」の誘致計画に同意。自社ビルへの誘致を目指していたビル管理会社の元社長と「設置に同意する」とした念書を交わし、2010年の初当選後には同意文書に署名、捺印していた。

 この問題は昨年、表面化していたが、最近になってさらに、誘致計画が立ち消えた後、業者側の求めに応じて市の予算でリサイクルセンターを入居させる代替案を提示していた疑惑が浮上。市長本人が11日に記者会見を開いて事実関係を認め、「道義的な問題はあった」と謝罪した。

 いずれも実現しなかったとはいえ、投票や選挙応援への見返りとしての利害誘導を禁止している公職選挙法に抵触する可能性がある。12月に任期切れとなる山野氏は6月の定例議会で再選出馬を表明しているが、再選どころか、任期満了すらおぼつかない事態となっている。

 同様の問題は全国で後をたたない。朝日新聞は今月5日、大阪市の市議が地元の保育所関係者の要望を受け、新規開業する保育所の定員を引き下げていたと報じた。

 報道によると当初は公募に応じた株式会社が定員120人、延長保育を午後8時半までとする保育所を開業予定するとしていたが、既存の保育所が反発。市議の事務所で既存の9法人と株式会社、市の担当者が集まり、既存保育所側が条件を自分たちに合わせるよう求めた。株式会社側はその後、定員80人、延長保育は午後7時までと方針転換。市の担当者も了承したという。

 市議は当時、議長を務めていた大物議員。株式会社側が圧力を感じたのは想像に難くない。既存の保育所は恩義を感じ、次期選挙では懸命にこの市議を応援するだろう。残念ながら株式会社の方針転換自体は橋下徹市長に問題視され、元に戻ってしまったが。

 政治家による利益供与は「口利き」とも呼ばれる。一般的な口利きは「間に立って紹介や世話をすること」(大辞泉)だが、政治の世界では「圧力」や「見返り」が伴うのが問題だ。

 政治家が民間業者や役人に何かを頼めば、本人が意識している、していないに関わらず、頼まれた側は圧力を感じるもの。政治家に何かを頼む際、見返りとして次の選挙で応援したり、献金したり、パーティー券を購入したりするのも政治家との付き合いにおける「常識」とされている。

 仮に圧力や見返りがなかったとしても、特定の有権者を優遇することは公平性の観点で問題がある。報道された大阪市議は、6月の議会で「ええ口利きがあれば、悪い口利きもある」と開き直ったが、口利きに正当なものがあるとは思えない。少なくとも首長や議員の本来の役割ではない。

 愛知県では過去の政務調査費(現:政務活動費)の返還を求められた県議が、事務所を活用している証拠として、陳情対応を記録した日報を裁判所に提出した。運転免許取り消し処分の軽減、公営住宅への入居希望、電柱の移設など、市民による諸々の口利き依頼である。

 口利きに熱心に取り組む議員ほど偉いと思っているのだろう。胸を張ってこうした資料を提出するあたりに、地方議員の思い違いがみてとれる。

 原英史・株式会社政策工房 代表取締役社長】 


 医薬品のインターネット取引について、過去数年にわたる議論を経て、今年6月から解禁された・・と言われているが、実際には、決して「解禁」とは言えない。

・安倍首相は、当初は、一般用医薬品につき「全面解禁」と表明していたが、結局、処方薬からスイッチした直後の品目など28品目については引き続き禁止。

・さらに、その裏側で、あまり争点とはされなかったが、処方薬についても引き続き禁止とされた。

 

禁止が続く理由は、「インターネットを利用するとリスクが高い」とされるが、論拠は明確ではない。

・たしかに、リスクが高い品目については、購入に際して、副作用情報を伝えたり、本人に既往症を確認するといったことが必要だ。しかし、数多くの確認事項がある場合、店頭よりむしろ、インターネットで行なう方が確実なはずだ。

・また、「薬剤師が対面して、五感を用いて判断することが大事」という主張(20131029日の産業競争力会議分科会で紹介された五十嵐座長メッセージ)もあるが、五感を用いてどういう事項を判断するのかははっきりしない。

 

 結局、安全性の問題を隠れ蓑に、伝統的な薬局の利権温存が図られたと捉えざるを得ない。

 

 同様の議論が、不動産取引について現在進行中だ。

 

争点となっているのは、宅地建物取引業法に基づく「重要事項説明」。

現行制度では、

・契約の中の重要事項について、宅地建物取引主任者が対面で説明すること、

・その際、「書面」を交付すること(電子メールなどでは不可)、

が求められ、インターネットを利用した重要事項説明は認められない。

 

 不動産取引の場合、「ふつう現地で物件確認するはずで、インターネット利用のニーズは小さいのでは」と思われるかもしれませんが、そうとは限らない。

 例えば、遠方に転勤する場合や、時間のないビジネスパーソンが引っ越す場合など、物件候補は現地に見にいくとしても、最終的に選んだあとの重要事項説明などの手続きは遠隔で済ませられれば・・といったニーズは少なくない。

 また、近距離の引越しであっても、「家族でシェアしたいのでテレビ電話で説明してほしい」「文字に残すため対面ではなくメールで質問に回答してほしい」などの理由で、インターネットでの重要事項説明を望む場合もある。

 しかし、こうしたことは認められず、重要事項説明の際は必ず「対面」しなければならない・・というのが現行制度だ。

 

 こんな規制は見直すべきではないか・・ということで、2014年4月、国土交通省で、「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」という会議が設置され、検討がスタートした。

http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000092.html

 

 しかし、検討会での議論の様子を議事録でみると、以下のような理由で、「インターネット利用には問題がある」との主張が少なくない。

・テレビ電話による場合、相手が(書面をみるため)下を向いてしまうので、表情が読み取りづらく、理解できているかどうかの確認が難しい、

・取引主任者証が、テレビ電話でははっきり見えないので、偽造されても分からないおそれがある、など。

 

 考えてみれば、

・「下を向いてしまう」場合があるのは、「対面」であっても同じことであり、

・「取引主任者証」は、多くの消費者はそんなに見たことがないので、「対面」であっても偽造かどうかの区別はつかないことが多いはず(偽造や詐欺への対策は、別途講じられるべきこと)。

 医薬品の議論の際の「五感を用いて・・」といった議論と同様の話ではないだろうか。

 

 現在、この検討会での「中間とりまとめ」について、パブリックコメントの募集(8月22日まで)がなされているが、こうした否定的な主張を受けて、インターネット利用の解禁は限定的なものにとどめる(消費者側の同意があったとしても、遠隔地間の賃貸契約等以外は認めないなど)方向のようだ。

http://www.mlit.go.jp/common/001048355.pdf

 

 まだ「中間とりまとめ」の段階であり、さらに議論が明確にされていくことを期待したい。

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】

 兵庫県議会議員の不正疑惑を機に国民の関心が高まっている「政務活動費」を巡り、東京都議会が2013年度の収支報告書と領収書を公開した。地元の各種団体に顔を売るための新年会に多額の会費を計上。次の選挙で当選するために、税金が使われている実態が浮き彫りになった。

 都議会議員の経費を賄う政務活動費は月額60万円。全国最大の自治体だけに、その額も全国で最も多い。条例で「議員が行う調査研究、情報収集、政策立案、広報・広聴活動等に要する経費に対して交付する」としており、具体的に人件費や視察・研修費など13項目を表に掲げている。

 新聞各紙の報道によると、2013年度の使途の中で最も多かったのが広報紙発行費の31364万円。続いて人件費の27769万円、事務所費6870万円だった。このほか会費に2023万円、会議費に534万円を充てていた。

 広報紙とは、新聞折り込みやポスティングなどで各家庭の郵便受けに投函される、政党や議員のPRビラのこと。議員の名前や顔写真を大々的に掲げ、小難しい政策を羅列したビラを見たことのある人は多いだろう。駅前などで街頭演説しながら、行き交う人々に配布することもある。

 こうした広報紙は政党や議員の活動を地元住民に知ってもらうツールとして重要だが、次の選挙で当選するための「政治活動」との線引きは難しい。普段はビラなど作らず、選挙が近づいた時だけ実績をPRする議員も少なくない。地元議員がどのように活動しているか、有権者は普段からチェックしておくべきだろう。

 問題は会費である。会費として計上されたのは計2023万円で、大半が業界団体や地元商店会などの新年会への参加費。中には76回の新年会に参加し、415500円を計上していた議員や、同じ日に地元の消防団の新年会に10件参加していた議員もいたという。

 東京都議会の「政務活動費の手引き」によると、「議員が政務活動に係る意見交換や情報収集等を目的として参加する会合等」には一回あたり1万円の限度で会費を払うことができるが、「意見交換を伴わない場合や懇親・親睦、飲食を主目的とする場合には支出できない」としている。

http://www.ombudsman.jp/13seimu/13tokyo.pdf#search='%E9%83%BD%E8%AD%B0%E4%BC%9A+%E6%84%8F%E8%A6%8B%E4%BA%A4%E6%8F%9B+%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%8F%8E%E9%9B%86+%E6%94%BF%E5%8B%99%E6%B4%BB%E5%8B%95%E8%B2%BB'

 何のために新年会を開くか、一般的には懇親や親睦が目的だろう。会合の中でその業界について意見が交わされることももちろんあるだろうが、それが主目的とは到底言えまい。ましてや同じ時間帯に行われている新年会に10件も立て続けに出席し、意見交換するなど不可能である。

 実際には次の選挙を見据えた各種団体への「顔見世」が主目的だったと推測される。そのため民主党は新年会などへの出席は原則自腹とし、政務活動費からの支出を認めている自民、公明両党も前年度は都議選が近かったため「選挙活動との線引きが難しい」として制限した経緯がある。

 政務活動費の本来の目的は地域の課題を見つけ、解決するための政策を練り上げることだ。次の選挙で受かるための新年会への参加費やチラシの作成、選挙対策ばかりしている秘書の人件費などは自腹で払うか、支援者から寄付を集めて賄うべきだろう。

 多くの自治体では来年4月に統一地方選が行われる。有権者は地元の選出議員が政務活動費をどう使っているか、しっかりチェックしたうえで投票所に向かってほしい。

先週7月31日、安倍総理は、「自民党総裁に就任して9月に3年目を迎える。これを機に新たな気持ちで新たな分野にチャレンジし、さらに成果を求めたい」と語り、内閣改造・自民党役員人事を「9月の第一週に行いたい」と明言した。
 また、「地方の創生を進めていかなければならない。安全保障法制に関する閣議決定を受け法制化を進めていく必要がある」と述べ、新設する「地方創生」や「安全保障法制の整備」の担当大臣を内閣改造の目玉に位置付ける意向も示した。
 

官邸サイドは、9月上旬の外交日程などを踏まえ、9月2日に党役員人事を、3日に内閣改造を実施する方向で最終調整に入ったようだ。

自民党内では、参議院幹事長室が副大臣・政務官の推薦リストを作成したり、自民党の各派閥・グループが研修会などを開催して情報交換を行ったりと、内閣改造・党役員人事に向けた動きが活発となってきた。また、内閣改造の規模や人選、党の人事や資金の配分に大きな権限を持つ幹事長職にある石破氏の処遇、女性閣僚・党役員への登用などをめぐって、様々な憶測も飛び交っている。

 

 

国会議員の定数削減を含む衆議院選挙制度改革をめぐっては、伊吹衆議院議長が、7月29日の衆議院議院運営委員会理事会で、衆議院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」の人選について報告した。

委員には、平井伸治・鳥取県知事や佐藤祐文・横浜市議会議長の地方自治体関係者、荒木毅・富良野商工会議所会頭や並木泰宗・連合政治局長の経済・労働界関係者、山田孝男・毎日新聞社特別編集委員やキャスターの小谷真生子氏のマスメディア関係者のほか、堀籠幸男・元最高裁判事、大竹邦実・元衆議院調査室長、学識経験者らの15名が起用された。

 

伊吹議長が提示した人選は、同日に開かれた衆議院議院運営委員会で了承された。調査会座長は、9月上旬の調査会初会合で、メンバー互選により佐々木毅・元東京大学総長が選ばれる見通しだ。

調査会は、(1)現行の衆議院選挙制度「小選挙区比例代表並立制」への評価、(2)国会議員の定数削減、(3)「一票の格差」の是正策、(4)現行憲法下での衆参選挙制度のあり方について調査・審議し、衆議院議長に答申を行う。
 

調査会答申を踏まえて新たな衆議院選挙制度を次期衆院選から導入する場合、公職選挙法などの改正作業や、有権者への周知期間を考慮する必要もある。衆議院議員の任期満了を迎える2016年12月までを念頭にとしているが、実際は、残り時間が限られている。
 また、設置要綱に調査会答申を「尊重する」とあるものの、立法措置を講じる段階で、与野党は再協議を行うこととなる。これまで選挙制度改革や定数削減をめぐって、与野党に見解の隔たりがあり、協議も行き詰まった経緯があるだけに、与野党で合意形成できうる改革案が提示されるかもポイントとなりそうだ。

 

 

 8月末に向け、各府省は、来年度予算に係る概算要求のとりまとめを急ぐ。また、与党税制協議会では、消費税率10%への引き上げ時に導入予定の「軽減税率」に関するヒアリングが進められている。
 今後、安倍総理と自民党との間で内閣改造・党役員人事をめぐる神経戦が繰りひろげられていきそうだが、予算編成や税制論議など、政府・与党内で進められる政策動向にも気を配っておいたほうがいいだろう。

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