原英史・株式会社政策工房 代表取締役社長】 

 9月第一週の内閣改造を控え、入閣予想の話題が多いが、それ以上に重要なのは、改造内閣でどういった政策課題に取り組むのかだ。

 

 安倍首相は、集団的自衛権の法制化は通常国会に先送り、秋は再び経済に軸足をおく・・ということのようだが、具体的な方向はまだ見えていない。

 経済政策の課題は山積だ。6月の成長戦略改訂では、法人税引下げ、GPIF改革、農協改革などの方針を示し、マスコミではかなり高く評価された。たしかに、昨年の成長戦略と比べれば、具体論に踏み込む内容だったが、とはいえ、例えば、法人税引下げひとつとっても、具体的な税率はこれから。農協改革なども具体的な内容は今後に委ねられており、また、農業改革の課題の中の一部に手をつけたに過ぎない。例えば、従来からの課題である、企業の農業参入(農業生産法人の所有要件)などにはまだ十分に手がついていない。つまり、6月の成長戦略改訂は、示された個々の具体策の熟度の面でも包括性の面でも、まだこれからであり、今回の勢いで更に取組を深化・拡大していけるかどうか・・という段階だ。

 

 他方で、政府からは、「秋の最重要課題は地方創生」という声も聞こえる。もちろん、アベノミクスの成果を地方経済に広げていくことが重要だが、このさき春の統一地方選に向けて、「地方創生」の名のもと、規制改革・税制改革などの難題は一段落として、旧来型の予算バラマキ型の政策に戻っていくようなおそれも否めない。

 

 以下では、秋以降に取り組むべき経済政策の課題リストをあげてみる。

 

1、税制

・消費税(10%への引上げ)の扱い

・法人税引下げの税率

・その他(寄付税制の拡大、女性活用、資産課税ほか)

 

2、規制改革

・雇用、外国人

・農業、林業、漁業

・医療、介護、保育

・教育

・インフラ(交通、水道、エネルギーほか)

・IT

・IR

 

3、企業関連制度など

・コーポレートガバナンスの強化(株式持ち合い規制など)

・GPIF改革

・倒産法制の見直し

・金融監督行政の見直し

・中小企業支援行政の見直し など

 

4、インフラの有効活用、官業等の民間開放

・空港、道路、水道

・公設民営学校

・国有林、漁業権、電波 など

 

5、エネルギー政策

・電力改革、ガス改革

・原発を含むエネルギー戦略の再構築

 

6、社会保障改革

・医療・介護・保育の効率的供給(規制改革と重複)

・持続可能な給付への見直し

 

7、国家戦略特区、地方分権

・以上の課題に取り組むうえで、地域を限った実験(国家戦略特区)

・その延長で、地方への権限・財源移譲