政策工房 Public Policy Review

霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

カテゴリ: 寄稿

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】  


 ほとんど毎回居眠りする議員に、30分間携帯電話を操作し続ける議員――。市民団体がこのほど公表した仙台市議会の「通信簿」。そこには市民の代表として市政について真剣に議論する役目を負う議員たちの、目を疑うような実態が記されている。

 
 通信簿をまとめたのは市民団体「議会ウオッチャー・仙台」。8月に仙台市議選を控え、現職議員の任期である20119月定例会から20152月定例会まで、計15定例会の本会議全105日間を複数のメンバーが実際に傍聴し、評価を集計した。

 
 中身は2部構成。第一部は「本会議場での議員の態度についての評価」、第二部は「質問内容についての評価」となっている。中でも特に注目すべきは第一部だ。

 
 評価対象は離席、居眠り、私語の3項目。離席については全55議員のうち、9人が10回以上記録。最も多かった議員は77回、離席率は73.3%にのぼった。この最多議員の離席のうち6回は50分から一時間程度という長時間。生理現象は仕方ないにしても、本当にすべてが「やむを得ない理由での離席」だったのか、疑問が残る。


 居眠りはもっとひどい。全議員のうち約半数が10回以上記録。居眠り率が50%を超えた議員が9人おり、最も多かった議員は80回、居眠り率が76.2%だった。「開始直後から終了まで熟睡」していたこともあったという。これには選んだ有権者もがっかりだろう。

 
 私語については10回以上が14人いたが、半数以上はゼロだった。当選回数の多いベテラン議員に多く見られ、当選回数の少ない新人議員はほとんどなかった。当選を重ねるにつれ、緊張感が薄れている様子がみてとれる。

 
 このほか会議中に携帯電話やスマートフォンを操作する議員も複数、指摘された。中には「30分ほど」操作し続けた例もあったという。議員としての業務に関わる情報収集だったのか、それともただの時間つぶしだったのかは知る由もない。

 
 今回、調査対象となったのはもっとも格式の高い「本会議」だけだが、議会には本会議の下に各種委員会が設置され、日々開催されている。「委員会はもっとひどいのでは」と想像するのは私だけではないだろう。

 
 議会ウオッチャー・仙台では、居眠りや私語について「議論に集中していないことを示す指標で、いずれも議論 の場としての議場でとるべき態度ではない」と指摘。学校に例えて「度が過ぎれば学級崩壊となる」と断じている。

 
 仙台市議選は724日に告示、82日に投開票される。議員の個人名が明記された今回の「通信簿」は、有権者が投票先を選ぶ際の貴重な資料になるに違いない。

 


議会ウオッチャー・仙台HP

http://gikai-watcher.net/

 

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】 
 

 2014
年の政治ニュースで最も国民の注目を集めたのは集団的自衛権でも衆院選でもなく、「号泣記者会見」だったのではないか。その主役である野々村竜太郎元兵庫県議は19日、詐欺などの疑いで書類送検された。この問題は政治家の質とともに、政治資金に関する3つの非常識を明らかにした。

 
 兵庫県警は220万円余りをだまし取ったとして、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで野々村氏を書類送検した。警察の聴取に対し、野々村氏は虚偽の出張報告や、金券ショップでギフトカードを購入しておきながら切手代として報告するなどの手口で、政活費をだまし取ったことを認めた。

 
 野々村氏は3年間で受け取った政務活動費1684万円のほとんどが不正支出だったとしているが、警察は確認のとれた220万円分に限って立件した。野々村氏は警察の調べに対し、「選挙費用がかさんで、一度受け取った金を返したくなかった」などと供述したという。

 
 この問題で明らかになった一つ目の非常識は、経費の先渡しである。兵庫県議会は議員の政治活動に充てる経費として、毎月50万円の政務活動費を支給。先に全額を渡し、使い道を報告させたうえで、余った分は返還させる仕組みとしている。

 
 野々村氏に限らず、一度受け取った金は使いきりたいと思うのが人間の性。全国市民オンブズマン連絡会議の2013年度の調査によると、全国の都道府県議会のうち、31議会で給付額の9割以上を使い、返還額は1割未満だったという。使い切り主義は全国に蔓延している。

 
 一般の企業ならば使った分だけ後から申請し、認められれば後日振り込まれる、というのが常識。議会でも一般常識に合わせ、使った分だけ後から支給するという仕組みに改めるべきである。

 
 
 二つ目の非常識は、チェック機能の欠如である。一般の企業であれば経費を申請すると、経理担当者の厳しいチェックが入る。業務と関係ないモノを購入したり、必要以上に高級な店での会合費を申請したりすれば、認められないこともあるだろう。経理をすり抜けたとしても、会計士や税理士のチェックが控えている。

 
 ところが兵庫県議会では年間100回以上の日帰り出張と言う明らかに不自然な報告を問題視することはなかった。号泣県議の問題が発覚して以降、全国の議会でも相次ぎ不正支出が明らかになった。事務局が使途の中身までチェックしておらず、外部のチェックもなかったからである。

 
 本来ならば具体的な運用ルールを定めたうえで、ルールに沿った内容かどうか議会事務局が厳しくチェックすべきだ。さらに会計士や税理士など外部の専門家によってダブルチェックの体制を整えるべきだろう。政務活動費の元は税金であり、一般の企業よりも厳しい仕組みで当然である。

 

 三つ目の非常識は政務活動費の使途の公開方法だ。野々村氏は2011年の当選直後からカラ出張を繰り返していたが、問題が明らかになったのは昨年6月。それまでは不自然な出張を報告しておきながら、議会事務局どころか、外部からも問題視されることはなかった。

 
 政務活動費が何に使われているか調べようと思ったら、兵庫県の場合は兵庫県庁に出向き、議会事務局で閲覧カードに必要な事項を記入した後、「指定された場所」で閲覧しなければならない。多くの議会が同様の仕組みを採用しているが、一般の市民にとっては非常にハードルが高い。これではマスコミが報道しない限り、問題が露見することはないだろう。

 
 本気で公開する気があれば、インターネットにすべて掲載すればいい。その方が議会事務局も手間が省ける。国会議員の政治資金使途報告書についてはすでに総務省や多くの都道府県がネット公開を始めており、できない理由もない。消極的な公開方法の裏には「なるべく見られたくない」という議員の本音が見え隠れする。

 
 とはいえ、いくら制度を整えても、結局は議員の意識が変わらなければ政治とカネの問題は尽きない。今年4月には全国で首長や地方議員を選ぶ統一地方選挙が行われる。有権者は政策だけでなく、その候補者の倫理観も見極めなければならない。

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】

 政府は14日の閣議で、2015年度予算案を決定した。今朝の新聞各紙は政健全化の遅れを批判しつつ、家計の負担増にも批判的な目を向けている。財政も家計の負担も国民の関心事だが、同時達成が困難なのも事実。安易な批判は国民の「ないものねだり」を助長する可能性がある。

 
 中日新聞が15日付の朝刊で組んだ予算案の特集面。真ん中の折り目を挟んで二つの見出しが左右のページに並んでいる。右面は「赤字縮小 なお遠く」、左面は「負担拡大 支援薄く」。一方で財政再建の遅れを批判しておきながら、もう一方で家計の負担増を批判している。

 
 ここまであからさまな例は珍しいが、多くの新聞は多かれ少なかれ、財政再建の遅れと家計の負担増の両者を批判している。ある日の紙面で財政再建にもっと取り組めと書いておきながら、翌日の紙面では家計の負担増で苦しむ低所得者を「可哀そう」に取り上げることもある。

 
 確かに今回の予算編成で「経済再生、財政健全化の二つを同時に達成」(安倍晋三首相)と言っておきながら、膨張する社会保障給付抑制への取り組みは不十分。介護保険料の値上げや相続税の対象拡大などで家計の負担が増えるのも事実である。

 
 しかし、苦しい財政状況の中で財政再建を重視すれば家計負担は増すし、家計の負担軽減を重視すれば財政再建が遠のくというのは誰でもわかる話。景気が劇的に回復しない限り、ほとんどの家庭で負担が減りながら、財政規律も改善するということはあり得ないのである。

 
 マスコミがこうして安易な批判を続ければ、国民もないものねだりをするようになる。財政再建を進めつつ、家計の負担も減らせというようになる。増税せずに、社会保障を充実せよというようになる。野党も国民受けのいいことばかり言うようになり、マスコミのように「何でも批判」、「何でも反対」になる。こうなると国家にとって負の連鎖でしかない。

 
 国家運営に「この道しかない」ことはない。財政規律を重視する考えもあるだろうし、家計負担の軽減を重視する考えもあるだろう。前者には小さな政府志向の保守層が多いだろうし、後者には大きな政府志向のリベラル層が多い。政党でいえば前者が維新の党、後者が民主党、その中間が自民党と言ったところだろう。

 
 マスコミに求められているのは、政党や国民が議論する際に、材料を提供することだ。日本の財政状況はどうなっており、今回の予算案によってどう変わるのか。今回の予算案によって社会保障サービスや、家計の負担はどう変わるのか。こうした事実を客観的に伝えることだろう。

 
 特定の思想や考えに基づいて断定的に論じるべきではないし、ましてや今回のように相矛盾する論調を並べたりするべきではない。

 
 近年、マスコミによる誤報や偏向報道が批判されるようになったが、今でも国民の新聞への信頼度は高い。新聞通信調査会が2014年に行った調査によると、新聞の信頼度は約70点。ほとんどの国民は特定の一紙しか読んでいないので、自宅で購読する新聞の書いていることを信じているのである。

 
 新聞もテレビも、自分たちの報道の影響の大きさを自覚すべきだ。そして安易な批判ばかりしていないか、特定の考えを読者に押し付けていないか、常に自問自答しながら紙面を作るべきである。
 
 

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】


 政府・与党は8日、北海道と北陸、九州で建設中の整備新幹線について、開業時期を前倒しすることで合意した。追加費用の大半は「国費以外から調達」するとしたが、間接的には国民負担につながる可能性がある。国家全体にとって何が優先課題か、冷静に判断しなければならない。

 
 整備新幹線は国の計画に基づいて建設する北海道、東北、北陸、九州新幹線のこと。現在は国が3分の2、地元自治体が3分の1の費用を負担して独立行政法人が建設し、JR各社に有償で貸し出す仕組みだ。JR東海が自前で建設しようとしている中央新幹線(中央リニア)は含まない。

 
 現在、建設中なのは北海道の札幌―新函館北斗間、北陸の金沢―敦賀間、九州の武雄温泉―長崎間の3区間。政府・与党は8日の作業部会で北海道を2035年度から2030年度に、北陸を2025年度から2022年度に、九州を2022年度から「できる限り」前倒しすることで合意した。

 
 北陸新幹線は2020年の東京五輪に間に合わせるため、金沢から敦賀に向かう途中駅である福井までの路線のみ、さらに前倒しする方向で、今夏までに結論を出すという。

※前倒しが決まった整備新幹線の路線(日経より)

http://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO8173185008012015PP8001&bf=0&dc=1&ng=DGXLASFS08H6E_Y5A100C1PP8000&z=20150108


 建設の前倒しには当然、費用がかかる。現在は復興需要や関東圏でのマンション建設ラッシュにより建設費が高騰しているため、なおのことだ。国土交通省は3路線の前倒しで少なくとも5400億円の追加費用が必要としており、このうち900億円を国費で負担し、残り4500億円を国費以外から捻出するとしている。

 
 日本経済新聞によると、国費以外の費用ねん出策は次の三つ。一つ目は建設主体である独立行政法人、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄建機構)が線路や駅を担保に金融機関から借り入れる。二つ目はJR各社が独法に支払う負担金の一部を建設費に回せるようにする。三つ目は独法の金利負担の想定を引き下げるというものだ。

 
 借り入れと負担金の使途変更でそれぞれ2000億円、想定金利の見直しで300億円生み出せるとしている。

 
 ただ、気を付けなければならないのは、財源ねん出策のいずれも、鉄建機構の負担となることだ。借り入れを増やせば当然、金利負担が増す。さらにその2000億円はいずれ鉄建機構の利益から返済しなければならない。負担金の使途変更も本来は違う用途に使えるはずの金を建設費用に回すわけだし、想定金利の引き下げも、本来浮くはずの金利負担の差額がなくなるだけだ。

 
 鉄建機構の負担は、間接的には国民の負担になる。鉄建機構は独立行政法人であり、基本的には政府の一部。鉄建機構の資産は国民の資産であり、過去には積み上がった利益剰余金を国庫に戻したこともある。機構の負担が増えれば国民に還元されるはずの利益が減ることになる。

 
 そもそも鉄建機構の前身の一つは国鉄清算事業団であり、国鉄を民営化する際に債務を切り離すために作った組織。国鉄民営化の際には国が24兆円もの借金を穴埋めした経緯があり、鉄建機構が稼いで国民に返すというのは当然のことである。鉄建機構の財政が窮乏すれば、機構から施設を借りるJR各社の負担が増し、乗車料を通じて国民が間接的に負担することにもなりかねない。

 
 そもそも今回、開業を前倒しする3路線の「収益力」には限界がある。いずれも全国から航空路線や特急列車で行くことができ、新幹線に置き換わったとしても効果が限られるからだ。いずれの路線も国土交通省は投下した費用に対し、得られる効果は同等程度としているが、その試算も怪しい。甘い採算見通しで建設した後、借金が雪だるま式に増えた公共事業の例は数知れない。

 
 北海道と北陸の前倒しが確定したことを受け、次なる焦点は金沢―福井間のさらなる前倒しや、九州の具体的な前倒し期間の検討となる。ただ、金沢―福井間を先行開業するには福井駅に車両基地が必要となるなど、前倒しだけのために追加投資が必要となる。慎重に検討すべきだ。

 
 アベノミクスによる企業業績の回復や消費増税による税収の増加を受け、政府・与党内には財政規律に対する“緩み”が散見される。国民は見た目の「国費」だけにとどまらず、総合的な「国民負担」に目を光らせ、国家にとっての優先課題を見極めなければならない。

【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】

 政府・与党が来年度から、故郷の自治体などに実質的に納税できる「ふるさと納税」制度を拡充するという。適用上限額を2倍にするほか、手続きも簡素化する方向。ただ、自治体のプレゼント合戦という問題を放置したままでは、税収の無駄遣いに終わる可能性もある。

 
 

来年度から制度拡充、減税2倍に

 
 ふるさと納税とは実質的に、好きな自治体に納税することのできる制度。具体的には特定の自治体に寄付すると、2000円を超える部分が地方住民税や所得税から控除される仕組みだ。「ふるさと」と銘打っているが、生まれ育った地域でなくても構わない。

 
 例えば名古屋市に住んでいる私が、かつて勤務した大阪市に1万円納税したいと思った場合。私は大阪市に1万円寄付し、翌年の確定申告でそれを報告する。すると本来、国と名古屋市に納めるはずだった所得税と住民税の額が8000円減額となり、後日、還付金として戻ってくる。

 
 税金が控除される額には上限が決まっており、年収や家族構成によって異なる。例えば年収500万円、共働きで大学生の子どもが一人いる家庭では27000円。具体的には以下の表のように設定されている。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000254926.pdf

 
 このふるさと納税制度を巡り、日本経済新聞は「ふるさと納税制度を拡充、減税額を2倍に」と報じた。先ほど紹介した税額控除の上限を2倍に引き上げるほか、確定申告しなくても自動的に居住地の住民税が軽減されるようにするという。菅義偉官房長官が第一次安倍内閣の総務相時代に提案した制度だけに、看板政策である「地方創生」の目玉にしたい考えだ。

 
 納税者の納得感を高めるためにも、納税先を選べるという制度はあっていい。しかし、自治体による「プレゼント合戦」が過熱し、本来の趣旨とかけ離れつつあることに留意する必要がある。

 


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万円寄付で5000円のステーキ

 
 北海道の十勝地方北部に位置する上士幌町。農業や畜産が盛んなこの町のふるさと納税「特典」が今、全国的に人気を集めている。1万円寄付すると、牛ステーキや鹿肉ジンギスカン、はちみつなどの中から好きな商品がもらえるのだ。あまりの人気に、品切れ商品も相次いでいる。

 
 例えばこの町に1万円寄付し、特典として十勝ハーブ牛のロースステーキ(400グラム)をもらったとしよう。ネットで調べたところ、ステーキの価格は5000円。先ほど紹介したように2000円を超えた部分、8000円が税額控除の対象になり、後で還付されるので、実質的には2000円の負担で、5000円のステーキを購入できたというわけだ。差し引き3000円の「得」になる。

 
 ネット上を探せば同様のお得な特典はたくさんある。自治体が寄付を集めるために、競い合って豪華な地元産品をプレゼントしているからだ。中には「宿泊券」のように、換金できそうな特典もある。上限額が決められているとはいえ、悪用すれば節税策として使うことだってできるだろう。

 
 自治体にとってはいいことしかない。上士幌町からすれば1万円の税収が増えたことになるため、5000円分の特典を送ったとしても差し引き5000円分の「得」になる。しかも、地元産品の販売促進やPRになる。自治体側からすれば制度の拡充は大歓迎、もっとやってくれというのは当然だ。

 
 しかし、誰もが得をする制度などない。この場合、上士幌町の税収が実質的に5000円増え、納税者が3000円得した反面、国と納税者の住む自治体は8000円を返す必要が出てくる。つまり税収が8000円減るのである。

 
 国家全体で考えると、上士幌町が5000円の増収になり、国と納税者の住む自治体の税収が8000円減れば差し引き3000円の損。3000円がどこに行ったかというと納税者である。減収分3000円の原資は国民や都市部の住人が支払う税金。1万円分の税金の納入先を変更するだけのために、それだけのコストをかけるべきだろうか。

 
 自治体の中には特典の豪華さではなく、政策のアイデアで競うところもある。広島県神石高原町は寄付額の5%を町の事業に使い、残りの95%を犬の殺処分を減らすNPOの活動に充てるという企画を打ち出した。ただ、真面目に工夫を凝らしている自治体は残念ながら少数派だ。

 
 総務省は一昨年、各自治体に過度な特典の贈呈を自重するよう求めたが、現在もプレゼント合戦は続いている。こうした状態を放置したまま、上限額を2倍に引き上げれば、一部の有権者や自治体へのバラマキを増やすだけ。抜本的な地域活性化につながるとは考えにくい。

 
 安倍政権は本気で財政再建に取り組むつもりであれば、もっと効果的、効率的な制度設計を考えるべきではないだろうか。

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